仕事の進め方

ビジネスでコンセンサスを得る・取る必要性は?利害関係者と仕事を円滑に進める上で重要なこと

 仕事を円滑に、かつ確実に進める上でプロジェクトに関わる様々な関係者と意見や考え方を合わせることは非常に重要なことです。

 意見が割れた状態でプロジェクトを進行することは関係者と同じ課題に対して立ち向かう構えを取れないことになり、健全な状態とは言えないからです。

 しかし、仕事を進める上で関係者の意見が割れるのは当然のことで、それをいかにしてうまく同じ方向に向けさせ、推進力に変えていくかがプロジェクトリーダーにとって腕の見せ所と言えます。

 そんな中でコンセンサスを取る、図る、得るという言葉を聞いたことのある方も多いと思います。

 ここではコンセンサスを様々な利害関係者と取りながら、仕事を円滑にかつ着実に進める方法を事例も交えてご紹介します。

仕事は利害関係で成立している

 前述の様に仕事は様々な利害関係者と進めることになります。コンセンサスの解説をする前にまずこの「仕事上の利害関係」について少し紹介しておきます。

利害関係とは?

 利害関係とは、「利害が互いに影響しあう関係」という意味です。利害とは、利益と損害のことです。仕事で言う利益とは、ありたい姿に近付くことで、損害とはありたい姿から遠ざかることとも言えるでしょう。

利害関係を見極めることが重要

 仕事で利害関係を見極める上で重要なことは、ありたい姿を正確に描けていることです。ありがい姿があって、現実との乖離が明確になり、その乖離を埋めるためにはどうすれば良いかが分かってきます。

 仕事ではこの乖離を埋めるために、様々な戦略を練って実行していくことになります。

コンセンサスを取る&得ることの必要性

 前述のありたい姿と現実の乖離を埋めるために、様々な利害関係者を納得させて合意を取っていくという作業がとても重要になります。

 ここで「コンセンサスを取る&得る」という言葉が出てくる訳ですが、改めてその意味と必要性についてご紹介します。

ビジネスでのコンセンサスの意味

複数人の合意

 ビジネスでのコンセンサス(consensus)とは、複数人の合意を得るという意味になります。様々な関係者を巻込んで業務を推進していく上で、必須中の必須のことと言えます。

根回し

 コンセンサスには根回しの意味も含まれます。複数人と合意を得るために、合意を得る重要な会議体において「NO!」と言われないために、事前にキーマンと決定したいことについて合意しておくことが重要です。

 担当者同士では決まらない場合、合意を取りたい部門のある程度上のポストの立場の人間を説得しトップダウンで納得させることも一つの方法です。

 こちらの記事も参照ください。

仕事での人の動かし方。上司やキーマンはプロジェクトを思い通りに動かすための手段自分の思惑通りに仕事を動かすためには、言葉は悪いですが時に然るべき立場の人を利用することが重要です。いわば上司を有効活用しましょうということです。...

コンセンサスは仕事を着実に進めるために必要

 仕事は節目節目で関係者と決め事をして、記録に残しながら目標に向かって進めていくことです。

 その決め事をしていく上で、コンセンサスを取らずに進めると、決め事をしたくても意見が割れて、揉めて欲しい結論が得られない。。なんてこともあるのではないでしょうか?

 この様な事態はその後に挽回するための業務負荷が膨大となるため、業務効率化の観点でもよろしい状態とは言えないでしょう。

 コンセンサスを取る&得ることは、着実に決め事をして関係者と合意しながら進める上で必要なことです。

コンセンサスを取る&得るためのコツ

 では具体的にはどうやってコンセンサスを取って行けば良いのでしょうか?以下事例を交えてご紹介します。

相手にとっての利益を知る

 コンセンサスを取ることは、相手との乖離を埋めるために必要な作業になります。そのためには、相手の言い分、相手のありたい姿を知る必要があります。

 例えば、A案とB案という構想があったとしましょう。あなたはA案で進めたい所ですが、相手部署はA案に難色を示しており、B案を推奨します。

 ここで重要なことは、相手がなぜB案を推奨するか理解することです。相手は採算を重要視しており、B案がA案に対してコスト的なメリットがある案であるとすると、コストメリットのある案を提案する必要性が出てきます。

自分の利益を知らせる

 その上で、A案を推奨する根拠を理解してもらいましょう。例えばA案はより顧客の立場に立ったユーザー目線の案であるとすると、よりユーザーに寄り添った考え方があるべき姿であると理解して貰えるはずです。

折衷案を提案する

 以上のことから、相手部署とコンセンサスを取るためにはユーザー目線と採算を両立した案が必要であることが分かります。そうすると採算とユーザー目線の両方を兼ね備えたC案を提案することでコンセンサスが取れそうです。

 自組織の案に極力近い案で合意したい場合でも、一種の妥協でB案の考え方を最大限取り入れることが重要です。

意思決定をする会議前に合意を得る

 C案なら合意が取れそうという見通しが立ったら、A,B,C案のどれかに決定する会議体の前に、相手部署に根回しをして決定会議でC案に決まる確率を最大限に高めることが重要です。

 そのために相手部署に対して事前にC案がB案の考え方を最大限に取り入れた案であることを伝え、コンセンサスを取っておくことが重要です。

 意思決定をする会議はあくまで意思確認の場であり、コンセンサスが取れるかでほぼほぼ決着します

 会議の進め方については、以下の記事も参照ください。

会議で「アウトプットが無い」は最悪。進捗とゴールを常に意識する会議進行の5つのコツ目的とアウトプットイメージの無い会議は、結論が曖昧なまま終わってしまうことが多く、業務効率の観点でも決して良いものではありません。本来得たいアウトプットを得られずに会議終了時間が来てしまうことは時間の無駄なので、絶対に避けるべきです。...

まとめ

 いかがでしたか?プロジェクトを進める上で様々な利害関係者とコンセンサスを取る&得ることの重要性がご理解いただけたと思います。以下まとめです。

 意思決定の場は、あくまで意思決定。事前の用意周到な根回しで決着すると言っても過言ではありません。コンセンサスをうまく取りながら円滑に業務を進められる様にしましょう。

にほんブログ村